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高次脳機能障害について

交通事故により、脳挫傷など脳にダメージを受けた結果、記憶障害や注意障害などといった障害が生じることがあります。

このことを高次脳機能障害と呼びます。

高次脳機能障害は、交通事故分野ではよく知られているため、脳にダメージを受けたような場合には、この障害を疑うことになります。

しかしながら、被害者の方に生じている障害は、高次脳機能障害だけでないことも多いです。

脳にダメージを受けている場合、味覚・嗅覚・聴覚障害が併発していることもあります。

聴覚障害などは、聞こえにくくなるため分かりやすいのですが、味覚・嗅覚の障害については、意識して指摘しなければ見落とされることもありえます。

例えば、病院食はおいしくないという先入観があり、入院中の食事の味がしないということが、実は味覚障害が原因であったということもあります。

この味覚・嗅覚障害は、被害者の方が自ら医師に報告し、耳鼻咽喉科で検査を受けなければ、最後まで判明しないという危険性もあります。

そのため、脳にダメージを受け、高次脳機能障害と診断されたという場合、味覚・嗅覚・聴覚に関する異常はないのかを注意して観察すべきです。

そして、万が一、異常がありそうだという場合には、早急に、耳鼻咽喉科の医師の診察を受けるべきであると思います。

なお、交通事故における味覚の検査は、ろ紙ディスク法で検査を受けることになりますので注意してください。