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労災における装具・用具の入手方法2

前回に引き続き,福祉用具の入手方法について検討したいと思います。

前回は,電動車椅子について検討したので,次に例示した上肢の機能を補う補助装具について検討したいと思います。

これらの補助装具のなかには,労災保険での支給対象ではないものが存在します。

このような場合,労災保険の補装具の支給制度の利用はできないので,障害者総合支援法の補装具などの支給の制度の利用を検討することになります。

障害者総合支援法の制度の利用とは,簡単にいうと身体障害者手帳を取得して,制度利用するということです。

なお,ここで,注意が必要ですが,身体障害者手帳を取得するためには,市役所などの障害担当窓口に行かなければならず,先ほど述べた労働基準監督署とは異なる場所に行かなければならないという点は注意が必要です。

身体障害者手帳取得における障害固定時期の目安について,愛知県のホームページでは,外傷性脊髄損傷による完全麻痺の場合3か月後から申請できることになるとのことです。

もっとも,いつ頃,身体障害者手帳の申請を行えばよいかという点については,個々人の身体の状態や医師の見解などに左右されることから,主治医との相談が不可欠になると思います。

身体障害者手帳を取得すれば,補装具や日常生活用具などの給付が受けられますので,必要に応じて申請手続きを行うことになります。

さらに,一般社団法人労災サポートセンターという団体が,福祉用具購入支援事業というものを行っています。

もっとも,対象となる福祉用具が電動車いす等・床ずれ防止マット・介護用ベッドのうちの1つに限られることや,労災サポートセンターが指定する販売店での購入に限定されるなど,適用条件が限定されていますが,選択肢の一つとして検討してみるのはいかがでしょうか。

なお,一般社団法人労災サポートセンターに,福祉用具購入支援の申請方法が記載されているため確認されてみても良いかもしれません。

このように,福祉用具だけでも様々な制度が複雑に絡み合っているため,詳細は,各種窓口および弁護士にご相談されることをお勧めします。