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刑事手続きの流れ1

最近,某会社の会長が逮捕されたり,刑事弁護に関する弁護士ドラマが始まったりするなどして,刑事弁護に関する質問を受けることがあるので,刑事弁護に関する流れに関して説明したいと思います。

 

捜査機関が,何らかの犯罪があると考えた場合には,捜査が行われることとなります。

例えば,警察官が,事件現場を目撃したとか,誰かから告訴や告発が行われたという場合に,捜査を行うこととなります。

捜査の中にも,任意捜査というものと,刑事訴訟法に特別の規定がある場合に限り行うことのできる強制捜査というものがあります。

 

捜査をする中で,身柄拘束をする必要があるという場合には,逮捕という手続きをとることとなります。

逮捕とは,通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕の3種類あります。

それぞれ刑事訴訟法に規定されていますが,通常逮捕について取り上げてみます。

通常逮捕とは,裁判官があらかじめ発する逮捕状によって行われる逮捕のことをいいます。

ドラマなどで自宅にいる人物に対し,逮捕状を示して逮捕しようとする場面があると思いますが,あの場面で行われていることが通常逮捕です。

では,通常逮捕はどのような場合に行われるのでしょうか。

通常逮捕が行われる場合は,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると捜査機関が判断し,裁判官がその存在を認めたときとなります。

もっとも,罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があっても,裁判官が明らかに逮捕の必要性がないと認めた場合は,逮捕状が出されないので逮捕されないこととなります。

逮捕をされると,最大72時間身柄拘束がされます。

身柄拘束される場所の多くは,警察署にある留置施設となっています。

この最大72時間のあいだに,検察官が身柄拘束を続けるべきかどうかを判断し,続けるべきと判断する場合には,勾留請求を行うこととなります。

 

検察官の勾留請求が認められた場合は,勾留請求された日から10日間勾留されることとなります。

勾留請求が認められる場合とはどのような場合でしょうか。

勾留の要件としては,罪を犯したと疑うに足りる相当な理由がある場合で,刑訴法60条1項に定める要件(住所不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡の恐れ)が存在し,さらに,勾留の必要性がある場合とされています。

なお,勾留の要件があるかどうかを判断するために,裁判官による勾留質問という手続きが取られます。

裁判官が,勾留が必要だと判断すれば,勾留状が出されて,原則10日間勾留が続くこととなります。

そして,やむ得ない事由がある場合には,さらに10日間の勾留延長を行うことができます。

 

仮に,逮捕段階から弁護人がついている場合,検察官に対し勾留請求をしないように主張したり,裁判官に勾留の要件が存在しないので,勾留状を出すべきではないなどの主張をしたりして,一刻も早い身柄解放のための活動を行ったりします。

 

次に続きます。