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無罪判決が出た場合1

最近,いくつかの刑事事件で無罪判決が出ているという報道を見かけます。

では,裁判所で無罪判決が出された場合,逮捕および勾留されていた被告人の立場に置かれていた人はどのような補償をしてもらえるのでしょうか。

この点,刑事補償法という法律が存在します。

この法律によると,未決の抑留又は拘禁を受けた場合に,そのものが後に無罪の裁判を受けたときには,国に対して補償を請求できるとされています。

では,刑事補償請求の期限はあるのでしょうか。

刑事補償の請求は,無罪の判決が確定した日から3年以内にしなければならないとされています。

そして,この請求は,無罪の裁判をした裁判所に対して行うことになります。

この刑事補償請求は,書面でも口頭でも行うことができますが,通常,書面で行っていくこととなります。

また,刑事補償請求を行う際の書面の内容はどのような事項を記載すればよいかが悩ましいところですが,民事訴訟の訴状に倣い,請求の趣旨および原因を記載していくことが多いようです。

請求金額についてどれぐらい請求していくことができるのかですが,抑留または拘禁による補償については,1日1000円以上1万2500円以下の範囲内で決められることとなります。

刑事補償請求の重要な点は,国家賠償請求と異なり,公務員の故意・過失を立証する必要が無く,無罪の判決を受けたことと,未決の抑留又は拘禁をされていたことを主張すればよいとされています。

そのため,日額の差異はありますが,未決勾留をされており,無罪判決を受けた場合には,刑事補償を受けることができることとなります。

刑事補償請求をするためには,刑事補償請求書の記載内容など専門的なこともあるため,弁護士に相談されることをお勧めします。