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自転車保険について

先日,中日新聞に自転車保険に関する記事が出ていたので,改めて自転車保険について取り上げたいと思います。

中日新聞の記事によると,名古屋市の市民アンケートの結果では,名古屋市の自転車損害賠償保険への加入率は,自転車利用者の81.7%が加入しているとされており,名古屋では自転車保険の加入が進んでいるのだなと思いました。

しかしながら,私が弁護士として交通事故の法律相談にのっていて,自転車による事故に関して自転車保険の理解が,まだ足りていないのではないかと感じています。

自転車保険という特別の保険商品に加入している人は,自転車保険について理解しているのだと思いますが,火災保険や自動車保険に特約としてついている「個人賠償責任保険」の理解が不十分なのではないかと感じています。

契約者本人が気づいていないだけで,火災保険や自動車保険に,数百円の上乗せで個人賠償責任保険に加入している場合も多いです。

私が法律相談にのっている中で,「自転車で事故を起こしてしまったが,どうしたらいいでしょうか?」というご質問に対し,火災保険に個人賠償責任保険が付いていないかを確認してもらい,それで解決した事例を何回も経験しています。

そのため,自転車保険という特別の保険商品の存在だけではなく,「個人賠償責任保険」についても理解が進むと,より自転車事故による補償が進むのではないかと感じました。

なお,個人賠償責任保険のなかにも,示談代行サービスがついている保険商品と代行サービスがついていない保険商品が存在しますので,個人賠償責任保険を契約する際にはその部分にも注意して加入されることをお勧めします。

また,個人賠償責任保険の上限金額(1億円とされていることが多いような気がします。)についても注意が必要だと思います。

支払う保険料との兼ね合いもあると思いますが,相手に極めて大きな怪我を負わせてしまった場合,1億円でも不足する場合もありますので,可能であれば,賠償金額が無制限の個人賠償責任保険に加入しておくことが良いのではないかと思います。