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民法改正の影響

今年の1月に民法改正に関するブログを記載しましたが,民法改正に伴い自賠責保険の取り扱いなどの変更があったので,交通事故分野における民法改正の影響を記載しておきたいと思います。

自賠責保険においては,令和2年4月1日以降に発生した事故については,次のような取り扱いがなされています。

例えば,自賠責保険の慰謝料の基準として,従来は1日につき4200円であったところが,1日につき4300円となりました。

また,休業損害につき,従来は1日5700円とされていたところが,1日6100円となりました。

そのほか,入院中の看護料など,様々な損害項目において金額が変更されているため,令和2年4月1日以降に事故に遭われた場合には,損害額の計算において注意が必要です。

また,逸失利益を計算するときに利用するライプニッツ係数という係数についても変更が生じています。

令和2年3月31日までは,民事法定利率が5%でしたが,同年4月1日以降は,民事法定利率が3%となりました。

これは,5%の利率が世の中の実態に合致していないために変更されたのですが,民事法定利率が3%に変更されたことで,逸失利益を算定する際に利用するライプニッツ係数の数字も変わることになりました。

例えば,5年間のライプニッツ係数についてみてみると,従来は「4.3295」という係数を利用していましたが,4月1日以降の事故については「4.5797」という係数を利用することになりました。

このように,変更があるため,損害額を計算するときには注意を要します。

民法改正の影響については,複雑な部分があるため,弁護士にご相談されることをお勧めいたします。