強制執行
交通事故に関する損害賠償請求を行っていると、加害者が任意保険に加入していないという事案にあたることがあります。
通常は、加害者が任意保険に加入しているので支払いを受けることに問題は起きませんが、任意保険に加入していない場合には、支払いを受けることが困難になることがあります。
物的損害に関しては、自賠責保険も利用できないので、賠償金の支払い確保は困難を極めます。
加害者相手に裁判をして強制執行をする方法がありますが、強制執行をするべき財産の調査はどのようにすればよいのでしょうか。
一つ目は、銀行などの第三者から情報を入手する手続きになります。
民事執行法207条に規定されていますが、判決を持っている被害者の方が、裁判所に情報提供手続をとることで、申立人が指定した銀行から、どこの支店に、いくら残高があるのかを回答してくれることになります。
二つ目は、財産開示手続きがあります。
この手続きは以前から存在しましたが、昨年から財産開示手続きに対して、拒否したり嘘をつくと刑事罰が科せられることになりました。
そのため、最近では、神奈川県で警察が検察官に送致したり、北海道で告発されていたりしており、民事裁判の結果を無視して逃げ得されないようになってきているようです。
このような手続きを利用して財産調査をしていくことになりますが、支払い能力自体が無ければどうしようもないので、交通事故を扱う弁護士としては、やはり自動車を運転する以上は任意保険には加入していて欲しいと思います。