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過失相殺

弁護士業務で、交通事故事件を扱っていると、避けて通れないのが過失割合に関する議論です。

過失割合が10%異なってくると、賠償金額が大きく変わってくるため、その判断は極めて重要なものになってきます。

交通事故の場合、件数がたくさんあるため、東京地裁がまとめた交通事故に関する過失割合の目安を定めた書籍(別冊判例タイムズ38号)が出版されており、通常のケースではこれをもとに実務は動いています。

しかしながら、上記書籍は、基本的な事故類型を扱っているため、基本的な類型から外れる場合は、上記書籍の事例を組み合わせたり、道路交通法の規定を考慮したり、過去の裁判例などを探すなどして過失割合を検証していくしかないです。

最近調べたケースとして、通行禁止時間が設定されており、歩行者専用道路の時間帯になっているにもかかわらず、その道路を走行してきた自動車に関して、過失割合の修正を加えることができるかという事例がありました。

令和4年3月17日 神戸地裁伊丹支部の裁判例では、信号機が無い十字路交差点(原付側に一時停止あり、自動車側に通行禁止時間規制あり)で、原付と自動車の出会いがしら衝突事故において、原付が減速し、自動車側に減速が無いこと、自動車側に歩行者専用道路の標識の見落としがあることを考慮して、原付:自動車=35:65としています。

基本過失割合が、原付:自動車=55:45であることからすると、20%の修正が行われている可能性があります。

このように、一般的な過失割合については、ネットでも簡単に調べられるようになってきていますが、一般的なものではない過失割合については、様々な要因がからんで決まっていくため、ご自身で判断することは難しいと思います。

弁護士によっても見解が分かれるケースもあるため、複雑な過失割合に関しては、弁護士に相談されることをお勧めします。