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とばく罪について

最近、芸能ニュースで、芸能人がオンラインカジノをおこなって、活動自粛をしているなどという話題が出ています。

このオンラインカジノをおこなって、何故、活動自粛となっていくのでしょうか?

これは、オンラインカジノで行われていることが、刑法185条で禁止されている賭博罪に該当する可能性があるからです。

刑法185条では、「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。」とされています。

ここでいう科料も罰金も刑罰の一種であるので、前科がつくことには変わりありません。

科料は、1000円以上1万円未満の金銭を支払う刑罰(刑法17条)です。

罰金は、1万円以上の金銭を支払う刑罰(刑法15条)です。

両者は、支払う金額が違うだけで、どちらも刑罰ですので前科がつきます。

しかし、罰金と科料で大きく違う点もあります。

それは、資格制限の規定に引っかかってしまう点です。

例えば、医師の場合、医師法4条3号、7条1項3号で、厚生労働大臣は、医師が罰金以上の刑に処せられたときは、医師の免許の取り消し処分をできるとされています。

そのため、罰金刑が課せられると、医師免許の取り消し処分をされる可能性があります。

ニュースでは、オンラインカジノはグレーだと思ったから行ったという芸能人のコメントも出ています。

オンラインカジノはグレーなのでしょうか?

刑法1条1項には、「この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。」と書かれています。

オンラインカジノの会社が、海外の会社であったとしても、日本国内で金銭をかける指示をして、賭博行為をパソコンやスマホの画面上で行っていれば、日本国内で賭博行為をおこなっていると解釈できると思うので、賭博罪が成立する可能性は高いと思います。

実際、平成25年には、国会答弁で、オンラインカジノをおこなう行為が、「刑法185条の賭博罪が成立することがあるものと考えられ」という答弁がされています。(但し、国会答弁の法解釈が、必ず正しいというわけではないので注意が必要です。)

したがって、オンラインカジノ行為は、グレーではなく、黒の可能性が高いと思います。

今後、オンラインカジノに関する裁判所の判断が増えてくると、判断が固まってくると思いますが、極めてリスクが高い行為であると思うので、オンラインカジノには手を出さない方が良いと思います。

なお、警視庁のホームページでは、「オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です。」と言い切っており、現時点で警察は、犯罪行為として取り締まっていく考えであると思うので、手を出さない方が良いと思います。

万が一、刑事事件化した場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。