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金属盗難対策法について

先週、盗難特定金属製物品の処分防止等に関する法律が、参議院本会議で可決成立したとのニュースを見ました。

この法律は、最近、太陽光発電設備から銅線ケーブルを盗む金属盗が増加していることに対応するための法律です。

太陽光施設から金属が盗まれたという業者の存在は、私も今まで聞いたことがあります。

特に、太陽光発電施設は、山林の中など人目のあまりないところに作ることも多いので、盗難がされやすいのかもしれません。

今回制定された法律は、金属の買い取り業者に対して、金属を買い取る際に、相手方の本人確認を義務付けたり、相手方の確認事項に関する記録を作成・保存義務を課す内容になっています。

また、正当な理由による場合を除いては、ケーブルカッターやボルトクリッパーなどの指定金属切断工具を隠して携帯してはならない。という規制も新たに設けられています。

指定金属切断工具を隠して携帯してはならないという点は、一般人も含めて、全ての人に課せられるものですので、上記工具を持つ必要がある人は、工具の扱いに注意が必要です。

また、この法律には罰則が規定されています。

先程の指定金属切断工具を隠して携帯していた場合、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金刑が科せられます。

なお、ここで、新たに成立した拘禁刑が条文上でてきたので、補足します。

いままで、刑罰といえば懲役刑や禁固刑という刑罰で、この違いは、刑務作業が義務とされている懲役と、作業が義務ではない禁固に分かれていました。

しかし、人を懲らしめるという意味合いの刑罰はあまり意味が無いとのことで、立ち直りを目的とするという拘禁刑に切り替わりました。

拘禁刑に一元化されたことで、刑務作業をメインと考えるより、立ち直りに向けた作業や指導がメインとなっていくようです。

この改正は、いろいろな立場から、いろいろな見解が出そうですが、弁護士として、今後の刑罰のあり方について見守りたいと思います。