安全対策について
交通事故事件を扱っていて、シートベルトの着用をしていなかったり、チャイルドシートの設置がなされていなかったりするケースが時々あります。
2008年に、後部座席のシートベルト着用を義務付けられてから10年以上経過しますが、後部座席でのシートベルトの未着用というケースはあるようです。
シートベルトをしていない場合、後部座席に乗車中の人の怪我を防ぐことが困難になるという点で、シートベルトの着用は必ず行うべきであると思います。
では、交通事故の賠償問題において、シートベルトの未着用はどのように扱われるのでしょうか。
様々な事故の類型があり、単純に回答することはできないのですが、シートベルトを着けていなかったことが原因で損害が大きくなっているケースなどでは、10%ほどの過失相殺がなされていることがあります。
通常は、後部座席に乗っているだけであれば、過失割合の問題にはなりにくいのですが、シートベルト未着用という点は、後部座席に乗車している人にも責任があると考えられるため、10%ほどの過失がとられることがあるようです。
もっとも、健康上の理由などで、法律上、シートベルトを着用することが免除されているケースにおいては、過失割合については、別途検討する必要が出てくると思います。
では、免許の点数についてはどのような扱いになるのでしょうか。
一般道路において、後部座席に乗車中の人がシートベルトの着用をしていなかった場合、運転者の免許の点数は引かれません。
高速道路の場合は、後部座席に乗車中の人がシートベルトを着けていなかった場合には、1点減点されます。
このように、免許の点数の減点の有無だけで考えると、一般道路におけるシートベルト着用義務はないのではないかとの誤解が発生しそうです。
しかし、法律では着用が義務付けられていますし、賠償においても過失相殺される可能性もあるので、シートベルトの着用は必須であると思います。
交通事故被害に遭い、賠償問題において、シートベルト着用の点で問題になっている方は、弁護士に一度ご相談ください。