ようこそ,弁護士 赤田光晴のブログへ
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交通事故でよく問題になることとして、過失割合という言葉があります。
日常ではあまり使うことがないので、事故に遭われた方にとっては分かりにくい言葉ですが、交通事故が起こった際には避けて通れないことです。
過失割合とは、簡単に言うと、交通事故が起こった原因が一方の人間だけにあるわけでなく、双方に原因があるという考え方です。
車の真後ろから衝突される追突事故のような場合は、通常、一方にしか過失がないですが、車の横から衝突された場合には、双方に過失があると考えられています。
横から衝突された場合に、どちらの車がどれだけ悪かったのかを判断し、どれだけ損害賠償をしなければならないのかということを決めるために過失割合というものがあります。
そして、どちらの車が悪いのか?ということを判断するためには、道路交通法や一般的な考え方などを考慮して判断していきます。
例えば、優先道路を走行している際に、わき道から進入してきた車両に衝突された場合、一般的には、優先道路走行車A:非優先道路走行車B=10:90となります。
ここで、優先道路走行車両Aの修理代金が100万円であれば、相手Bから90万円が支払われます。
A車両の修理代金が100万円ですので、Aさんは残りの10万円は自腹となります。
一方、非優先道路走行車両Bの修理代金が50万円の場合、Aさんは、50万円の10%である5万円をBに支払わなければなりません。
したがって、Aさんの支出としては、10万円+5万円=15万円となります。
Aさんは、過失が小さく被害者側であるとはいえ、相手の修理代金の10%を負担しなければならない部分が気づかず、戸惑われる方がいらっしゃいます。
このように、交通事故の法律問題は、日常生活では経験しないことが突然出てくるため、戸惑うことは多いです。
交通事故の相談は、弁護士にご相談されることをお勧めします。
最近、ニュースやネットを見ていると、「この内容で逮捕されるのか?」という疑問が出されていることを見かけます。
警察が逮捕(通常逮捕)をするには、裁判官が出す逮捕状が必要があるため、警察が自由に逮捕しているわけではないですが、どのような場合に裁判官は逮捕状を出すのでしょうか。
法律の要件を検討してみます。
まず、通常逮捕について定められている条文は、刑事訴訟法199条です。
第2項で、裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認める場合には、逮捕状を発するとあります。
このことから、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があれば、逮捕状は出されそうです。
しかし、第2項但し書きには、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでないとあるので、この「明らかに逮捕の必要性がないと認めるとき」がどのような場合かが問題になりそうです。
これについては、刑事訴訟法規則143条の3で逮捕状の請求を却下しなければならない場合を決めています。
どのような場合かというと、被疑者が逃亡するおそれがなく、かつ罪証を隠滅するおそれがないなど明らかに逮捕の必要がないと考える場合です。
このような場合は、逮捕状の請求を却下しなければなりません。
しかし、「この内容で逮捕されるのか?」という疑問が出る事件のように、被疑者が逃亡するおそれや罪証隠滅するおそれがどの程度丁寧に審査されているのか疑問が生じる事例もあります。
警察などに逮捕された場合、その直後は身内の方・勤務先の人は面会することができず、弁護士しか面会することができません。
そのため、逮捕から最長72時間の間は、家族や勤務先と連絡を取ることができなくなってしまい、大変な混乱が生じることがあります。
このように逮捕というものは、重大な身体の制約につながる制度であるからこそ、逮捕状の審査は慎重に行ってほしいと思います。
なお、逮捕された後、勾留請求という手続きを捜査機関がとることがあります。
この勾留請求の段階で、ようやくその適否について法的に争う制度が設けられています。
また、逮捕段階で弁護士がつくことができた場合、そもそも、勾留請求を行わないように検察官と交渉したり、仮に検察官が勾留請求を行ったとしても、勾留請求を却下するように裁判官に申し入れをしたりすることが可能です。
逮捕をされたら、早めに弁護士と相談をすることが重要だと思います。
今、ポケットモンスターのトレーディングカードが大人気となっており、入手することが困難になっています。
ニュースでも、ポケモンカードの転売の話題が取り上げられていますが、ポケモンカードの転売で詐欺事件まで発生しているようです。
ネットニュースの記事によると、様々な手口があるようですが、中身を入れ替えたカードを新品と偽ってフリマアプリに出品し、購入者から売買代金相当額をだまし取ったというような手口があるようです。
詐欺とは、刑法246条に規定されており、人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。とされています。
この条文を検討すると、①人を欺く(騙す)行為、②被害者の錯誤、③被害者の財物の交付、④財物が被害者から騙した人に移転することが必要なことが分かります。
そうすると、前記の事例に当てはめると、新品ではないのに、新品であると騙している点で、騙す行為が存在しています。
被害者の人は、中古ではなく新品であり、新品であるからこそ良いカードが入っているかもしれないと考えて購入するわけですから、この点に錯誤があると思います。
そして、被害者の人が代金を支払って、加害者がそのお金を受け取っているので、詐欺罪が成立するという風に考えられると思います。
ポケモンカードは、人気商品であるため、それをめぐって様々な事件が発生しているようですので、事件に巻き込まれないように、適切な場所から購入するなど、自身で犯罪に巻き込まれないように注意する必要があると思います。
ちなみに、過去には、ビックリマンチョコのシール集めが流行った時期があり、そのころ「ロッテ」ではなく「ロッチ」という発売元?が出したシールがガチャガチャで入手できた時期がありました。
弁護士になって、今考えてみると、ロッチのシールを正規品として正規のビックリマンチョコのシールと交換しようとする行為は、詐欺罪にあたるのではないか?と考えたりします。
最近、交通事故事件において、車両損害に関する相談にのることがあります。
車両損害において、交通事故の被害者の方が驚かれる一つとして、車両の時価額と車両の修理代金の関係についてです。
車両の時価額とは、事故の際に乗っていた車両の、事故当時の車両の値段の相場をいいます。
車両の時価額の決め方は、レッドブックという中古車の時価額を掲載している書籍や、インターネットの中古車販売サイトの平均価格などをもとに決めていくことになります。
裁判所では、車両の時価額と車両の修理代金とを比較して、どちらか安いほうの金額しか賠償されないことになります。
(なお、買替諸費用を加算するなどの詳細な話は、ここではあえて省きます)
そのため、古い車で車両の時価額20万円程度だが、修理代金が50万円くらいする場合には、いくら被害者の方が全く悪くない100%被害者であったとしても、時価額である20万円しか賠償されないということになります。
このようなことになるため、被害者の方は、全く悪くないにもかかわらず、愛着のある車を修理するために30万円の手出しが発生することに納得できない!!と相談に来られることがありますが、法律的には時価額を支払えばよいので、20万円しかもらえませんと説明することになります。
上記のような弊害を防ぐため、車の保険の中には、対物賠償保険のほかに対物超過特約という特約が存在します。
この特約は、先ほどの修理代金と時価額を比較して、時価額が低い場合でも修理を選択するのであれば修理代金相当額を支払いますという特約です。
そのため、100%被害者の方でも自己負担なく自分の車を修理してもらえることができるので、メリットのある特約になります。
事故の被害に遭って、車の修理代金が高くなりそうな場合、加害者の保険に対物超過特約が付いていないかを確認することも忘れずに行いたいところです。
インターネットで調べると、代理店型の保険には、対物超過特約が自動付帯されているようですが、ネットから入るダイレクト型の保険会社の場合は、オプション加入になっていることが多いようです。
自動車保険に加入する際は、自分の損害を守るために加入すべき特約と、相手の損害を円満に賠償できるようにするために加入しておいた方が良い特約とがあると思います。
対物超過特約は、法律では賠償義務を負わない部分まで補償できる特約になっており、円満解決を目指すうえでは有益な特約になっていると思います。
交通事故の処理のためには、保険の知識も必要となってくるので、交通事故に遭われた際には弁護士にご相談されることをお勧めします。
何度か、車の保険については本ブログで書いてきているところですが、以前に書いてから時間も経過しているので、再度、まとめてみようと思います。
車の保険には、メインの内容として、対人賠償・対物賠償・人身傷害保険・車両保険というものがあります。
対人賠償・対物賠償は、交通事故を起こしてしまって、相手の人を怪我させてしまったとか、相手の人の車を壊してしまったという場合に、相手の損害を賠償するために利用するものです。
通常、対人・対物賠償には加入しており、車の保険に入っているという場合は、対人・対物賠償保険に入っているということを意味していると思います。
次に、人身傷害保険というものはどういうものでしょうか。
これは、保険に入っている人が、自損事故を起こした場合などに利用できます。
自損事故を起こした場合、誰からも治療費を払ってもらえませんが、人身傷害保険に加入していれば、この保険から支払ってもらうことができます。
また、治療費だけでなく、休業損害や慰謝料も支払ってもらえます。
自損事故以外に、例えば、過失割合が80%ある加害者側の運転手の場合にも役立ちます。
過失割合が80%もある場合、事故の相手の人との関係では加害者の立場になるため、相手の人の保険会社は治療費を払ってくれません。
この場合に、人身傷害保険を利用して治療費を払ってもらったり、慰謝料をもらったりすることができます。
最後に、車両保険というものについてです。
これは、自分の車を修理する場合などに利用できます。
例えば、自損事故を起こした場合に車両保険を利用して修理することがあります。
また、こちらが100%被害者の場合でも、相手方が任意保険に入っておらず資力がない場合には、車両保険を利用して修理代金を確保するという場合があります。
しかし、車両保険を利用した場合には、保険の等級ダウンになることがほとんどであり、車両保険を利用することが躊躇する場合があります。
いろいろな保険をどのように適用して対応していくことがいいのかは、複雑でわかりにくいですので、弁護士にご相談されるとよいと思います。
今年のお盆は、東海・近畿地方は台風が直撃しました。
そのため、公共交通機関は運休し、帰省客などの移動に大きな支障が生じたようです。
また、台風の被害も徐々に明らかになってきていますが、台風で被害を受けたときには、どのように対応していけばよいのでしょうか。
例えば、台風で飛んできた屋根瓦に当たって車に傷がついたという場合が考えられます。
このような場合、ご自身の車に車両保険がついていれば、車両保険を利用して修理を行うことが考えられます。
もっとも車両保険を利用すると保険の等級が下がるため、修理代金と保険料の値上がり分を比較して利用の有無を考えることになると思いますが、車両保険が利用できるということは、修理費が高額になるなどの万が一の場合、心強いといえます。
また、屋根瓦が飛んで行って家を修理しなければならない場合が考えられます。
この場合は、火災保険が利用できる可能性があります。
火災保険に風災が補償対象になっている場合、台風による災害にあい、屋根が損傷したとして修理代金を保険で支払ってもらえる可能性があります。
では、屋根瓦が飛んで行った家の持ち主が、屋根瓦が当たった車の修理代金を賠償する必要はあるのでしょうか。
この点については、屋根瓦が飛んで行った家の持ち主が、工作物責任を負うかどうかという点が問題となります。
民法717条では、工作物責任が定められており、設置保存の瑕疵の有無が問題となってきます。
そして、屋根瓦に設置保存の瑕疵があると判断された場合には、賠償責任を負うことになります。
過去の裁判例でも、工作物責任を認めている裁判例や否定している裁判例など様々であり、設置保存の瑕疵の有無の判断は難しい判断になると思いますので、ご不明な点がある場合は、お近くの弁護士に相談されることをお勧めします。
サッカーやフットサルを行っている中で、プレイヤー同士が接触して怪我をするということは、スポーツをされている方の中では経験することだと思います。
このような場合、怪我をさせたプレイヤーは、賠償義務を負うのでしょうか。
この点について、事故が発生したからといって直ちに違法性があるといえないが、ルールに違反したプレーによって事故が生じた場合には違法性があるという見解が一般的なのかなと考えていたのですが、現在の実務では、単純にそのように考えられて良い状況でもないようです。
東京地裁平成28年12月26日の裁判例は、サッカーのプレイヤー同士の事故で、怪我をさせたプレイヤーに責任が認められた事例です。
試合中、蹴りだされたボールを右の太ももでトラップして手前に落とし、その後、ボールを左足で蹴り出そうとしたところに、相手が走りこんできて、相手がのばした左足の裏側と怪我した人の左のすねが接触して、骨折をしたという事案です。
この中で、加害者の過失を認めたうえで、違法性が否定されるかという議論を行い、競技規則12条に規定された反則行為とも考えられる行為であると評価できるとして、違法性は阻却されないと判断しました。
なお、試合時の審判は、加害者の行為にファールを取っていなかったのですが、裁判では、審判の判断とは異なり、反則行為とも考えられる行為であるとして違法性を認めました。
この裁判例は、競技規則を詳細に検討したうえで判断されており、一定の評価が与えられているようです。
次に、東京地裁平成30年2月28日の裁判例があります。
この事案では、加害者の足が、被害者の足に直接衝突するような形でスライディングを行ったものと認められないとして、直接足に当たったという事実を前提とはできないが、スライディングを契機として負傷した事故であるとして、加害者に過失があるかどうかを検討しました。
そのうえで、スライディングを行ってはならないという結果回避義務を課すべき状況にあったとは認められないとして、加害者の過失を否定しました。
このように、同じサッカーの試合中の事故であったとしても、事故の状況などによって判断が分かれることになるため、単純に「試合中の事故なので責任はない」と言い切れるわけではないと思います。
このような事故による補償のために、スポーツ安全保険などの保険の加入や、個人賠償責任保険の加入なども検討しておく必要があると思います。
(但し、個人賠償責任保険のほうは、加害者に賠償義務があると判明した場合の保険であるため、保険会社がどこまで対応してくれるかは、保険会社ごとに変わってくるような気がします。)
弁護士として相談されたときには、上記のような裁判例にも留意して相談にのる必要があると思いました。
コロナ禍が終息に向かい、株価も上昇しつつありますが、最近、破産について耳にすることが増えてきているような気がします。
先日も、管財事件で引き上げ業者さんに物件を引き上げてもらうために立ち合いをした際にも、業者さんが、引き上げの依頼が増えているような気がするとおっしゃっていました。
統計で見てみないことにはわからないので、いい加減なことは言えないと思いますが、先日見たヤフーニュースでも1月から5月の倒産件数が前年比で増えていると書いていたので、あっているのかもしれません。
倒産事件を扱う中で、会社に資産が全くない状態であれば、何もやることがないという状況もあるのですが、会社に資産が残っていると、その資産を売却するなどして、債権者の方々に分配するという作業が必要になってきます。
この作業を換価というのですが、この換価作業は、面白い部分があります。
こちらは、「こんなのは売れないのではないか。廃棄しかないかな。。。。」と考えていても、思いがけず、引き取り手が現れたりすることもあり、色々なビジネスの考え方があるのだなと、感心することがあります。
弁護士業を行っているだけでは思いもよらない、会社のビジネスの現場の知恵というものが勉強になります。
また、換価した後、配当という手続きもとることになるのですが、この手続きは財産がたくさんあれば一般の債権者の方にも配当することができるのですが、そこまで財産がないことが多く、税金などの支払いだけで終了してしまうことも多いです。
法律上、税金や社会保険などが優先されるのでやむを得ないのですが、一般の債権者の方(特に個人の方)からすると、なぜ税金などが優先されて、自分の方には全く払ってくれないのだ!と聞かれると、「法律がそうなってるから」としか答えようがないのですが、言いたくなる気持ちが分かるので、気の毒に感じてしまいます。
破産手続きの管財人としての仕事は、色々な利害関係人が絡むので、頭を悩ませるのですが、やりがいがある部分もあり、今後も続けていきたい分野であると考えています。
破産事件の管財人の仕事について記載しましたが、弁護士法人心では、破産事件の申し立ても重点分野として取り扱っています。
破産を検討せざるを得ないとお考えの方は、弁護士法人心にご相談ください。
交通事故案件を扱っていると、交通事故被害者の方が重度の傷害を負い、そのために判断能力が欠けているのが通常の状態となっている方の案件を扱うことがあります。
このような場合、交通事故被害者の方は、弁護士との委任契約自体を締結できないことから、成年後見制度を利用する必要があります。
この成年後見制度とは、どのようなものでしょうか。
判断能力が欠けていることが通常である場合、家庭裁判所に後見開始の審判を申し立てて、裁判所によって成年後見人を選任してもらう制度になります。
この成年後見人には、法的な分類ではないですが、親族後見人と専門職後見人とに分けられると思います。
親族後見人は、判断能力が欠けている方の身内の方が、成年後見人になる場合をいいます。
専門職後見人は、弁護士や司法書士、その他の専門家などが、成年後見人になる場合をいいます。
どちらがふさわしいかは、事案によって変わってくるので、「こっちの方が正しい」とすぐに決めることは困難です。
そのため、事案ごとに、関係者と打ち合わせをして、どちらを選択するかについて決めていくことになります。
この点、最高裁判所の考え方は、平成31年3月に成年後見人の選任について基本的な考え方を発表しており、身近な親族などがいる場合には、本人の利益保護の観点から、身近な親族を後見人に選任することが望ましいとされています。
そのうえで、専門職後見人による専門職後見監督人などの支援を検討したり、状況に応じて、柔軟に後見人の交代・追加選任を行うとされています。
私が交通事故事案で成年後見人を必要とする場合、身近な親族がおられることが多いので、親族の方に成年後見人に就任していただくことが多いです。
そのうえで、多額の賠償金などが入ってくることが予想されるため、賠償金が入ってくる際には、成年後見支援信託制度を利用して、財産管理をしていただくことがほとんどです。
(成年後見支援信託制度利用時には、一時的に専門職後見人がつくことになります)
弁護士などの専門職後見人が財産管理をすることも適切な方法であると思うのですが、信託銀行などの破綻リスクが小さいと思われることから、信託銀行へ賠償金を預けておいて財産管理を行うほうが、より成年被後見人の方にとって安全ではないかと考えて、そのような手段をとっています。
成年後見制度を利用する際には、どのように制度を利用すべきかという点について、様々な視点から検討する必要があると思いますので、弁護士にご相談されることをお勧めします。
令和5年4月1日から、道路交通法が改正され、自転車を乗る人がヘルメットをかぶるように努めなければならないとなりました。
道路交通法第63条の11によると、第1項で自転車の運転者に乗車用ヘルメットの装着の努力義務が課せられています。
第2項では、自転車の運転者は、他人を当該自転車に嬢やさせるときな、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるようにする努力義務が課せられています。
第3項では児童・幼児の保護する責任のある者は、児童・幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるようにする努力義務が課せられています。
このように、法律で、自転車乗車に際してのヘルメット装着の努力義務が定められました。
今まで、愛知県では、条例で自転車利用者に対して、ヘルメットの装着を努力義務を課していましたが、これが道路交通法でも課せられるようになったということです。
愛知県の条例と改正道路交通法は、重なる部分もあるのですが、愛知県の条例では、自転車をその事業の用に供する事業者は、従業員が仕事で自転車を使う場合は、ヘルメットを装着させる努力義務が課せられています。
この事業者に努力義務が課せられている点が、法律と異なる部分であると思います。
条例や法律で、自転車を乗車する者に、ヘルメット装着義務を課し始めていることからすると、今後、交通事故の過失割合においてもヘルメットの装着の有無が過失割合に影響を与えてくる可能性はあります。
もっとも、私が、弁護士として交通事故事案を扱ってきた中で、自転車運転者の方がヘルメットをかぶっていたために死亡せずに済んだ、あるいは大けがを負わなくて済んだという事例は、過去に取り扱った事例でもたくさんあります。
そのため、自分の生命・身体を守るためにも、自転車に乗る際のヘルメットの装着をお勧めします。